今年で12歳になる長男は、5歳の時に「発達障害」と診断されました。
以来、定期的に病院を受診しながら、小学校では支援学級に通っている状況です。
そんな長男のお話と、親としての私の考えなどを綴っていこうと思います。
「うちの子だけ?」と悩んでる全ての親御さん、ぜひ読んでみてくださいね♪
はじめに 発達障害ってどんな病気なの?
日本の行政上の定義では、発達障害者支援法が定める「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」となる
Wikipediaより引用
「発達障害」と言っても上記を見ていただければ一目瞭然で、人により症状が異なります。
長男の場合、以下の症状がありました。
産まれてから発達障害と診断されるまで
赤ちゃん時代はとにかく…よく泣く子でした…(;^ω^)
24時間抱っこしていないと火が付いたように泣き出してしまうので、当時の私の腕力はすごかったと思います(笑)
はじめての育児で右も左も分からず、「男の子ってパワフルなんや…男の子のお母さんは大変」と思い込んでいましたし、泣いていないのは「食べている」か「寝ている」時くらいしか無く、睡眠時間も取れず、とうとう母乳もストップしてしまいました。
赤ちゃんの検診で引っかかった
1歳6カ月検診が地域のコミュニティセンターで行われた時の話です。
長男を連れて検診に向かったのですが…。
「受けれませんでした」
体の発達はよく、背は小さいながらも体格が良かったので、これまでの乳児検診で引っかかる事はなかったのですが、1歳6カ月検診は以下のチェックがあったのです。
・積み木を持って指定の場所に置けるか
・絵に描かれたカードを見て、言葉が出るか
番号札が呼ばれてイスに座った瞬間に、テーブルに置いていた積み木を持っては投げ…カードも折ろうとする…ギャンギャン泣きながら噛みついてくるし、しまいには怒りが収まらないのかパイプ椅子をバタバタと倒し始めました…(笑)
慌てて抱き上げるものの、反り返って顔や髪の毛を引っ張られて…もう地獄絵図(;^ω^)
その日は「すみません!!また、落ち着いてから来ます!!」と平謝りして会場を立ち去りました。
心無い辛辣な意見に落ち込むことも 向き合う必要性
当時、私も含めて会場中が大騒ぎとなっている中で、温かい言葉をかけてくれたり手助けしてくれる人に救われました。
しかしながら、
と、ヒソヒソ話していた声はしっかりと聞こえていました。
その日はその言葉が耳に残ってしまって、悔しくて悔しくて一晩中泣きました。
「私は若いからダメな母親なのかもしれん」という思いが強すぎて辛かったですね。
自分を責める事しか出来ていなかったと思います。
その時に偶然手に取った書籍があります。
当時から9年間、私が愛読している育児書になりますので、興味がある方はこちらの記事も見てくださいね。
落ち込みが激しい私ですが、復活も早いのです(笑)
どうしたら長男がパニックにならずに済むのか、上記で出会った本の内容も参考にしながら考えた結果、
という事を実践しました。
次の検診では、「○○、今からあそこのおばちゃんとちょっとだけお話をするね。」(保健師さん…ごめん)ときちんと説明したうえで、呼ばれたら、「○○呼ばれたよ!行こうか?」としっかり伝えたら難なくクリア!
「赤ちゃんだからどうせ言っても分からない」とか、「ぐずってしまう前に終わらせたい!」という考えが、行動に出てたという事だと思います。
そのころから「この子は個性が強い分、きちんと向き合っていこう」と考えるようになりました。
保育園の先生から受診を勧められた…けど?
先のことを考えず衝動的に行動してしまうことが続き、保育園での生活や対人関係に支障が出てきました。
・お友達を叩いた(場所が階段で危険)
・友達に突然走り寄って、大声で怒鳴った(お友達は驚いて鉄棒から落下)
毎日のように保育園の先生からこのような話を聞いていました。
本人は言葉がうまく話せない事で、イライラが募り、後先を考えずに衝動的な行動に出るのですが、保育園の先生も何人もの子供たちを預かっていますし、うちの長男だけを見守るわけにはいきませんよね。
こういった流れから、発達障害の可能性があるのか診断をすることを勧められました。
保育園には正直、かなりご迷惑をおかけしたかと思います。
こどもを絶対に信じる!
長男には家でゆっくり話を聞きました。
・お友達を叩いた→女の子に悪口を言って泣かせている子だった
・突然走り寄って大声で怒鳴った→「弟の事を悪く言われた」
長男には、長男なりの「正義」があって、理由があっての行動でした。
自分の事を言われた時は、顔を真っ赤にしてでも我慢しているという事に、私もその時はじめて気付いたんです。
そして、先生に怒られても言葉でうまく説明することが出来ず、保育園の中でもうまくコミュニケーションが取れないという問題がありました。
結果としてお友達が危ない目にあっているという事実があるので、一緒に相手に謝罪へ行く事もありましたが、当時から11歳となった長男には今でも、
「お母さんは〇〇を信じてるよ!」
という声かけは続けています。
それと共に、失敗してしまったら私が長男役、長男が相手になったつもりでロールプレイングをして、どう行動すれば良かったのか復習するよう心がけています。
小学校に入学 「発達障害」と認めたくなかった 薬についての不安
保育園の先生から勧められ、一度は受診したものの、「このくらいの時期だと、うまく言葉にできない時に手が出る事もある」と言われ、心の成長が少し遅いのだと思う事にしました。
なぜかと言うと、発達障害の治療は薬を服用することになり、その薬に関して調べたところ、「覚せい剤と同じだ」というようなネットの書き込みを見つけ、長男に服用させることを躊躇していたからなんです。
もちろん、私には薬について深い知識があるわけではありませんが、ただ子どもが服用するかもしれない薬に関して、そのような意見が少しでも出ているという事がとても怖く感じていました。
そして…。
普通学級に入学してからの様子と本人の決意
保育園からの連絡で事情を知っていた小学校の先生から、「支援学級で〇〇君をケアしてあげてはどうでしょうか?」というお話をいただきました。
私の一番の反省点ではあるのですが、その当時は「この子は障害ではなく、個性が強いだけ」と思い込んでいた(考えたくなかった)ので、その支援を私が断ってしまったのです。
普通学級の1年生に入学した長男ですが、入学してからすぐに問題が発生しました。
授業は分からない事があっても、どんどん先に進んでしまいます。理解が追い付かないままパニックになってしまい、教室をほぼ毎回飛び出してしまうようになりました。
保育園の時と違って、お友達も良い意味では小学生らしく、ちょっとした悪さをするようになってきます。
言葉でうまく伝えられない長男は、顔を真っ赤にして我慢したり手をあげてしまう事から、友達から「ジャイアンみたい」や「○○君は乱暴者やね!」と言われ孤立したのです。
そして、自分のしたことに罪悪感を感じ続ける長男は、
「もう乱暴者と呼ばれたくない…!おくすりがんばって飲んだら治るの?」と泣きながら話してきました。
この時に、やっと目が覚めた気がします。
「自分の子が発達障害ではない」という私の勝手な考えが、かえって子供を苦しませていたんです。
何より大切にしなければいけないのは、この子の「生きづらさ」を解消してあげることで、発達障害だとか、そうでないとか、何も関係ないじゃないか。と吹っ切れたんです。
このまま学校に無理やり通わせても、「学校が楽しくない」となってしまうのも時間の問題で、こんなにも本人が頑張ってうまくいかないなら、もう一歩踏み出す必要があると感じました。
そして小学校1年生の秋に、学校は支援学級へ移動させてもらい、薬の服用を決めました。
薬については、現在も受診している主治医が、今後のことや危険性についてきちんと説明してくれ、
「きちんと処方どおりに服用する分には、全く問題ありません。」
「むしろ生きにくいまま過ごして、精神的なダメージがある方が危険です」
このようにお話してくれた事と、本人の決意が大きかったと思います。
※発達障害の処方薬について詳しく記事にしてまとめています。
服用してからの様子
服用について主治医からは、「体が慣れるまでいつもと違う行動をすることがあります。びっくりしないで見守ってあげてくださいね」と言われていました。
その言葉どおり、服用開始したその日から長男に変化が表れました。
今までより口数があきらかに増え、自分の気持ちを言葉で表すようになりました。
長男:「今日ね、今までやったら叩いとったけど、友達のこと考えたら痛いやろうけグッって我慢できたんよ!」
相手の立場になって考える余裕が出来たようです。
毎日のように授業中にパニックを起こし飛び出していた長男でしたが、その日、こんな事を言っていました。
長男:「先生の声は聞こえないのに、隣のクラスの声ばっかり聞こえとったんやけどね、今日は先生の声が聞こえたんよ!」
これは本人しか分からない事だったと思います。
私はてっきり「授業がついていけずに」と思い込んでいましたが、それだけではなかったのです。
長男は、雑音が耳に入りすぎて集中できず、先生の声も聞き取れず、授業に取り残される恐怖を感じていたんでしょう。
発達障害の症状については、今でも解明されていないものが多く、こういった症状は本当に周りには伝わらないことだと思います。
子どもであればなおさら、うまく言葉で伝える事が出来ませんよね。
当時の親目線での気持ち
私はというと、突然の激変っぷりに「○○じゃないみたい…大丈夫なの?」と怖くなり、うろたえて自分の決断が間違っていたのではないかと不安になってしまいました。
その時に、普段優しい夫から初めて怒られたのです…。
「家族で決めたんやろ!お前が怖がってどうするんか!」と…。
そのとおりでした。
どんな性格になっても長男は長男。間違いなく私達の子供です。
その長男がうれしそうに笑顔でいるのに、受け止めてあげないでどうするんでしょうか…。
一歩踏み出す勇気が足りなかったのは、長男ではなく、私でした。
そして…、1週間程度で長男の嬉しい興奮も落ち着いてきて、少しだけ元の寡黙な性格(笑)に戻ってきました。
戻ってきたとはいえ、感情のコントロールが出来るようになったことで、お友達に手をあげることも無くなり、車の前に飛び出すこともないですし、学校も楽しく行っています。
主治医の言う通り、服用し始めは効果が強く出る事もあるので、同じ経験を今まさにされている親御さん、心配しないでくださいね!絶対に大丈夫です!
一人の人間として子供と向き合う
当たり前ですが、子どもとは言っても一人の人間です。
子どもが思っている事、悩んでいる事、すべてを知る事はできません。
「親だから」といって完璧な育児を目指したり、子どもについてすべてを把握する必要もないと思います。
分からない事があって当然なんです。
きちんと子供に向き合って、本人のすべてを受け止めて、一緒に成長していく事が大事になります。
だからこそ親に出来る事は、
これしかないですね。
私も子育て経験11年のまだまだ未熟な「お母さん」です。
不器用な性格で躓くことも多い長男ですが、「自分の苦手な事を一生懸命克服しようと努力を続ける姿」を見ていると、
親としても、ひとりの人間としても、彼を尊敬せずにはいられません。
最後に、発達障害と診断されてから「一年生問題」にぶつかり、この時期に仕事を一旦辞める事になりました。詳しくは以下の記事で「特別自動扶養手当」と共にご紹介しています。